日本エスコンは、吹田市藤白台5丁目の国立循環器病研究センター(国循)跡地で進めている再開発の区画の名称を「TSUNAGU GARDEN 千里藤白台」に決定したと発表しました。約2万坪の広大な敷地には、住宅、商業、クリニック、認可保育園が一体開発され、すでにスーパーマーケットが開業しています。マンションや戸建て販売の宣伝も始まっていますので、詳細をご紹介します。
藤白台5丁目 国循跡地の再開発とは?
国循跡地の再開発は、もともと藤白台にあった国循がJR岸辺駅前の健都(吹田市岸部新町)に移転したことに伴い、同地が売却されることになったことに始まります。当初は異なる業者に売却されましたが、中部電力グループで、不動産デベロッパーの日本エスコンが実際の開発に着手しました。
敷地面積は約6万6千平方メートル(2万坪)。千里ニュータウン内で、民間主導で再開発が行われるものとしては、過去にない規模と言えます。2020年に開発構想の届け出がなされ、今回の規模での開発が明らかになりました。
立地は、阪急北千里駅から箕面方面に抜ける道路「千里けやき通り」に面し、大阪府立北千里高校に隣接。阪急北千里駅からは徒歩15分程度の場所です。
今回、再開発区域には、大規模のマンションのほか、戸建て住宅、商業施設、飲食店、クリニックモール、認可保育園、高齢者向け施設が計画されており、そのエリア全体の名称が「TSUNAGU GARDEN千里藤白台」になりました。
実際は、すでにオープンしているスーパーマーケット「Pantry(パントリー)千里藤白台店」の開店案内や現地の看板で使用されており、7月から明らかになっていたものの、日本エスコンは8月15日に正式に発表しました。
「つながり、つづく暮らしの未来。」というコンセプトのもと、自然、多世代、暮らし、環境、安心安全がつながりあう、というメッセージが込められています。
敷地の配置計画
今回、詳しい敷地配置も公表されました。当初の計画と大きくは変わりませんが、高齢者施設が道路沿い南寄りから道路沿い北西寄りに変更になり、あわせて店舗や戸建て住宅の配置が変わり、戸建ての住戸数が増えるなど、調整がなされています。
マンション「レジェイドシティ千里藤白台」
敷地のおよそ半分を占めるマンションは「レジェイドシティ千里藤白台」として広告が始まりました。現時点では、南東寄りのA街区「サウスレジデンス」と「イーストレジデンス」のみが発表されています。総戸数は2棟で244戸です。
敷地内に認可保育園が計画され、駐車場の設置率は、千里ニュータウンの基準に沿った100%+1台。他にもパーティルーム、キッズルームに、コインランドリーが設けられます。
阪急北千里駅まで少し距離があるものの(徒歩15~16分)、徒歩25分前後の距離に、北大阪急行が延伸する「箕面船場阪大前駅」や「箕面萱野駅」が開業する予定。いろいろな新しい駅や街を使える立地になります。
建物の竣工は2024年10月下旬の予定で、11月下旬引渡し予定です。今月下旬からの販売(契約)が予定されています。
戸建街区「ジオガーデン千里藤白台」
戸建て住宅は、日本エスコンではなく阪急阪神不動産により「ジオガーデン千里藤白台」として販売が予定されています。総戸数は62戸です。戸建街区は敷地を横断するように細長く計画され、多くの区画が道路に面しておらず、多様な立地から選択できそうです。
商業施設を開設できる場所に制約がある千里ニュータウン内ながら、スーパーや飲食店が目の前の便利な立地です。
2023年9月からの販売(契約)が予定されており、入居は今年11月下旬からの予定です。
スーパーマーケット「パントリー」をはじめとする商業・飲食・医療施設
商業・飲食・医療施設としては、下記が予定されています。
- スーパーマーケット「パントリー」(7月21日オープン済み)
- クリニックモール「CLINICStation(クリニックステーション)」(内科、小児科、整形外科、皮膚科)
- 調剤薬局「アイセイハート薬局」
- ドラッグストア「ウェルシア」
- 焼肉「牛の膳」
- 回転寿司「はま寿司」(8月25日プレオープン)
スーパーマーケットの「Pantry(パントリー)千里藤白台店」は、7月21日にTSUNAGU GARDENの中では最初にオープン済み。吹田市1号店でもあります。「ナチュラルで上質」をデザインコンセプトとし、新鮮な野菜や精肉・鮮魚を店内で加工する生鮮食品をはじめ、店内調理で出来立ての惣菜や弁当、酒類まで幅広く取り揃えています。
さほど大きくないスーパーではありますが、商業施設の空白区間に誕生し、今後利便性の向上が見込まれます。
次にオープンするのは、回転寿司の「はま寿司 千里藤白台店」。8月25日にプレオープンします。箕面の今宮、小野原、萱野に足を伸ばせば多くの人気店があるもののはま寿司はなく、大手回転ずしチェーンが勢ぞろいする地域になります。
この再開発計画の課題
今年から来年にかけて開店・完成していく「TSUNAGU GARDEN」ですが、すでに広告されている範囲だけで、300戸以上のマンションと戸建住宅が供給され、さらに400戸程度のマンションも予定されています。
この規模の開発に対して、吹田市は、本来の小学校区である市立藤白台小学校では受け入れが困難と判断し、TSUNAGU GARDENの区域を、隣の市立青山台小学校の校区に変更します。
もともと藤白台の一部で、今回の開発エリアに隣接する地域は、青山台小学校区であったので、自然な校区分けとも言えますが、地域の割り方にあたる自治会の区域と、小学生たちの繋がりが異なることとなり、「TSUNAGU」の名前とは裏腹に、課題を抱えた街になりそうです。