千里阪急とセルシー跡地は10万㎡規模の大規模商業施設
千里セルシーと千里阪急は、敷地を隔てる道路を廃止し、隣接するタクシー乗り場も一体化して、10万平方メートル規模の大規模商業施設を開発する計画です。1階部分の北端には新たなバス乗り場とタクシー乗り場が設けられます。
北大阪急行千里中央駅やせんちゅうパルから見ると、千里阪急は通路や歩道橋を経てつながっている、少し離れた施設という立地になっていますが、セルシー部分を含めて密接した大きな施設に変わります。
計画検討の主体は、阪急阪神不動産とのこと。元々は、阪急百貨店やイズミヤを運営し、千里阪急とセルシーの所有権を持つエイチ・ツー・オー リテイリングが再開発の方針を公表していましたが、阪急電鉄系の阪急阪神不動産が主導する形に変わったようです。
直近では、阪急百貨店の物流センター跡地(吹田市江坂町)で開発中のニトリは、エイチツーオーリテイリンググループが阪急阪神不動産に売却をして進められており、緩やかな関係性である百貨店と電鉄の間でも、役割分担をしているようです。
検討されている商業施設は、百貨店を中心とし、引き続き千里阪急が入居します。セルシー広場を継承する広場の整備も行うとの事です。セルシー広場は、「新人アイドルの登竜門」とも呼ばれてきた大きなイベントスペースでしたが、新たな施設でもシアター、マルシェ、パブリックビューイング等が開催できるようなスペースの導入が検討されています。
イメージ図では、5階建て程度の規模が想定されているようです。
阪急電鉄系の企業が主導し、阪急百貨店が核テナントとして入る商業施設といえば、西宮北口にある「阪急西宮ガーデンズ」です。郊外型ショッピングモールとしては敷地面積や売上高は関西最大級。そのノウハウを投入されるものと思います。
千里阪急ホテル敷地は千里東町公園を生かした広場に加えて、マンションも?
千里阪急とセルシーの再開発計画は、以前から計画されていたものが少しだけ具体化したという印象で大きくは変わらないのですが、今回新たに方針が出たのは、千里阪急ホテル部分です。
千里阪急ホテルは、2025年度の閉館が発表されています。今回の計画では、ホテル敷地と千里セルシー・千里阪急との一体的な再開発を検討していくことが新たに加えられています。
具体的には、千里阪急ホテルに隣接する千里東町公園と連携した、賑わい・交流機能を導入したり、千里中央駅から千里東町公園の歩行者通路のバリアフリー化したりするとのことです。具体的には、歩行者通路、広場を再整備するとともに、飲食店も設けたり、イベントを開催したりして賑わうエリアにしていきます。
現在は池の周囲の遊歩道と、新千里東町を広域につなぐ歩行者通路が階段で離れており、面する千里阪急ホテルに出入口がなく、それぞれがバラバラの状態ですが、完成イメージを見ると、歩行者通路から池までなだらかな芝生広場にするとともに、通路に面して飲食店を設けて、開放感のある一体的な空間を目指しているように思います。
また、計画には都心居住機能の導入も検討するとあります。ホテル敷地の多くはマンションとして検討されていくかもしれません。