エキスポシティにある日本最大の観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL」は、大手のアトラクションメーカーが手掛けたわけではありません。観覧車の施工実績はあまりない大阪の商社が施工と携わっています。
エキスポシティの事業主体は三井不動産、建物の施工は竹中工務店が行いましたが、観覧車に関していえばどちらもあまり関わっていなかったのです。
事業主体は観覧車運営のための特定目的会社「フェリスウィールインベストエント」、施工は観覧車の実績はあまりない大阪の商社「阪和興業」が手がけました。特定目的会社のビジネスについては、以前少しご紹介しましたが、今回は施工についてご紹介します。
大手メーカーの従来からのやり方にとらわれずに検討された結果、飲み物持ち込み自由だったり、あえて地味な白だったりする観覧車が完成しました。
産経新聞のニュース記事からのご紹介です。
やばい“全面シースルー” 日本一の観覧車が独占市場に割り込み、大手商社の“常識外れ”戦術 – 産経ニュース
これまで大阪は大手観覧車メーカーがしのぎを削り、国内各地に名物観覧車を送り出してきた土地柄だ。エキスポシティでは老舗施工業者以外からの参入や観覧車を使った広告ビジネスを模索するなどの動きもあり、業界に新風を吹き込んでいる。
この観覧車は高さだけでなく、業界にとっても多くの話題性の要素が詰まった存在なのだ。
まず注目されたのが、施工業者だ。担当した阪和興業は、独立系の大手商社。レジャー施設事業も手がけており、富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の遊技施設などの施工実績がある。ただ、観覧車の代表作は、北九州市のスペースワールドにある「スペース・アイ」(高さ100メートル)ぐらいしかない。その実績の少なさから、今回の施工に携わったことには驚きの声もあった。
大阪は知る人ぞ知る大型観覧車メーカーの集積地。在阪の業界大手にはサノヤスホールディングスグループのサノヤス・ライド(大阪市住之江区)、泉陽興業(浪速区)、岡本製作所(福島区)がある。特にサノヤスと泉陽興業は日本各地の有名な大型施設や海外での施工実績を重ねて勢力を二分してきた。
今回、エキスポシティの観覧車でも2社どちらかの施工が有力とみられた。ただ、泉陽興業はエキスポシティ開業前の遊園地「エキスポランド」を運営し、死亡事故が発生した経緯があり今回の案件にかかわりづらかった。サノヤスも日本各地で運営する遊戯場や、海外事業の苦戦など足元の業績を考慮し参画を見送ったようだ。
泉陽興業など大手老舗メーカーが設計や運営に携わっていないことで、既成概念にとらわれない自由な発想がふんだんに取り込まれているのも特徴だ。
例えば全面シースルーのゴンドラは床面にガラス、側面と上部は透明なアクリル板を使った。また、多くの観覧車で禁止されている飲料の持ち込みも可能とした。
このほか、観覧車全体の外観を白くしたのは、ビジネスに活用しようとの狙いがあるためだ。色鮮やかにライトアップが映えるようにする以外にも、ゴンドラをラッピング広告で覆いやすくするなど新たな増収策にも取り組んでいる。
※記事の一部を抜粋しました。
関連リンク
- 阪和興業 – 施工業者 公式サイト
- フェリスウィールインベストメント – 運営会社 公式サイト
1件のフィードバック
万博公園の景観に配慮して白かったわけじゃなかったんだ