2024年3月23日(土)、北大阪急行は、千里中央から延伸し、「箕面船場阪大前駅」と「箕面萱野駅」が開業します。これに合わせて、箕面市内を走る阪急バス路線がターミナルを千里中央から箕面萱野駅に移すような形で路線が再編されます。あわせて、豊中・茨木・吹田の路線もダイヤ改正が行われ、大幅な減便や廃止される区間があります。
まず、箕面市の交通事情について
ダイヤ改正の詳細を説明する前に、箕面市の交通事情をご紹介します。箕面市が行った調査によると、箕面市民の3人に1人が「電車・バスなど公共交通の便が悪い」と考えており、実際に移動に自動車を利用する割合が隣接する池田・茨木などと比べても約1.7倍という結果が出ていました。北部に山間部を抱えるという点で茨木市も似た環境に思えますが、市街地エリアの鉄道駅の少なさが要因の1つになっているものと思います。
今回、北大阪急行の延伸に伴い、国道171号線に沿って東西に広がる箕面市の市街地の真ん中に箕面萱野駅と箕面船場阪大前駅が、誕生します。
箕面市では、これを機に、従来は豊中市の千里中央駅を起点として、一部は北千里を経由して箕面市内各所に伸びていたバス路線を、新しい2つの駅、特に箕面萱野駅をターミナルとするように再編。箕面市内で交通網が完結するようにします。
箕面市内(と千里中央・北千里周辺)の阪急バス路線はこう変わります
北急の延伸開業に合わせた阪急バスダイヤ改正は、大まかには次の通りです。
- 千里中央を発着する路線は、小野原方面と、間谷住宅・粟生団地方面の一部を除き、箕面萱野駅を発着する路線に改められます。
- 小野原や、石橋などの箕面市西部と箕面船場阪大前駅を結ぶ路線が新設されます。これに伴い、小野原方面から北千里を経由して千里中央を結ぶ路線は減便されます。
路線図は下記の通りです。
スイタウェブなので、吹田市内・千里ニュータウン内の影響をご説明します。
小野原東~阪大口・金蘭会学園~北千里(紫色I)
小野原東から阪大口・金蘭会学園前を経由し、阪急北千里駅に向かう路線(路線図の紫色I)は、一部の便が小野原から箕面船場阪大前駅に向かう形に変更されるなどの影響で、若干減便されます。
阪大口のバス本数(1時間あたり)
行先・時間帯 | 再編前 | 再編後 |
---|---|---|
北千里方面 平日7時台 | 12便 | 10便 |
北千里方面 平日日中 | 4~5便 | 4便 |
今宮・今宮三丁目~北公園~北千里(水色J)
粟生団地、関西学院千里国際キャンパス、小野原などから今宮または今宮三丁目を経由して千里中央へ向かう路線は、途中、北公園、阪急北千里駅を経由します。今回の再編では、この経路の路線は、箕面萱野駅に向かう路線が新設・再編されることに伴い、半分程度に減便されます。(小野原エリアでは、路線再編の結果、増便するバス停もあります。)
北公園のバス本数(1時間あたり)
行先・時間帯 | 再編前 | 再編後 |
---|---|---|
北千里方面 平日7時台 | 千里中央行き 17便 | 千里中央行き 6便 北千里止まり 3便 |
北千里方面 平日日中 | 千里中央行き 5~6便 | 千里中央行き 3便 |
北千里~千里中央(紫色I・水色J)
北千里・千里中央間は、上記2ルートの減便により、本数が削減されます。ただし、減便されるのは北千里から千里中央の直通便で、北千里から乗車する場合は縁のないバスが中心です。千里中央から乗車し、北千里方面へ向かうバスが大幅に削減されることになります。
北千里から千里中央へ乗車可能なバス本数(1時間あたり)
行先・時間帯 | 再編前 | 再編後 |
---|---|---|
青山台一丁目経由 平日7時台 | 15便 | 11便 |
青山台二丁目・北町二丁目経由 平日7時台 | 3便 | 3便 |
青山台一丁目経由 平日日中 | 7便 | 7便 |
青山台二丁目・北町二丁目経由 平日日中 | 4便 | 4便 |
千里中央から北千里方面のバス本数(1時間あたり)
行先・時間帯 | 再編前 | 再編後 |
---|---|---|
5のりば 新家(粟生団地)方面 平日7時台 | 10便 | 4便 |
8のりば 北町二丁目経由 平日7時台 | 4便 | 4便 |
12のりば 小野原東方面 平日7時台 | 6便 | 4便 |
5のりば 新家(粟生団地)方面 平日日中 | 6便 | 3便 |
8のりば 北町二丁目経由 平日日中 | 4便 | 4便 |
12のりば 小野原東方面 平日日中 | 3便 | 3便 |
5のりば 新家(粟生団地)方面 平日18時台 | 9便 | 4便 |
8のりば 北町二丁目経由 平日18時台 | 4便 | 4便 |
12のりば 小野原東方面 平日18時台 | 6便 | 6便 |
豊中・茨木・吹田北部では、他にも減便・廃止される区間があります
今回の北急延伸に伴う再編と、昨今のバス運転士不足の影響かと思いますが、豊中市内、茨木市内、吹田市北部を走るバス路線で減便・廃止される区間があります。
ここまでで紹介してきた以外に、3月23日(土)の北急延伸と同日からダイヤが変わる主な区間は下記の通りです。
豊中市内
- 旭ヶ丘と、桃山台駅・阪急曽根駅・阪急豊中駅を結ぶ路線が減便されます。
- 北緑丘と、千里中央・阪急豊中駅を結ぶ路線が減便されます。
- 新大阪から阪急豊中駅を経由し、柴原阪大前駅を結ぶ路線は、1本だけ阪急箕面駅まで運行されていましたが、柴原阪大前駅に短縮されます。
阪大病院・茨木美穂ヶ丘周辺
千里中央と阪大病院と茨木美穂ヶ丘を中環を通って結ぶ路線が下記の通り減便・廃止されます。
- 大幅に減便され、従来1時間に6本以上が運行されていた千里中央発は、7時台から9時台は1時間あたり3~4本、それ以降は1時間に1本になります。
- 美穂ヶ丘線(阪大を経由し美穂ヶ丘へ向かう路線)が廃止されます。阪急バスとして茨木美穂ヶ丘が廃止されるとともに、1日1本だけ阪急山田駅を経由して美穂ヶ丘へ向かうバスが止まっていた洗心館前のバス停が廃止されます。
- 美穂ヶ丘線が廃止されることで止まるバスがなくなる万博外周のバス停(記念公園西口、阪大南口)に、歯学部病院まで向かうバスが止まるようになります。
千里中央と阪大病院や茨木美穂ヶ丘は、大阪モノレール彩都線のルートと完全に重なります。もちろん、駅までの移動時間によっては、バスが役立つものの、バス運転士不足の状況を踏まえると、維持する優先度は低かったものと思います。
なお、JR茨木駅と茨木美穂ヶ丘を結ぶ近鉄バスの路線は維持されます。また、阪急北千里駅を経由して阪大に向かう路線が日中1時間に1本ありますが、こちらも変更はありません。
本数をまとめると下記の通りです。
千里中央から阪大方面のバス本数(1時間あたり)
行先・時間帯 | 再編前 | 再編後 |
---|---|---|
医学部病院前経由 阪大本部前方面 平日8時台 | 阪大本部前止 7便 茨木美穂ヶ丘行き 1便 | 阪大本部前止 4便 |
北千里経由 医学部病院前方面 平日8時台 | 1便 | 1便 |
医学部病院前経由 阪大本部前方面 平日日中 | 阪大本部前止 3~5便 茨木美穂ヶ丘行き 1~2便 *合計4~6便 | 阪大本部前止 1便 |
北千里経由 医学部病院前方面 平日日中 | 1便 | 1便 |
茨木市内のその他の変更
阪急バスでは、茨木市内で他に下記の路線で大幅なダイヤ改正が予定されています。
- 茨木サニータウン線
- 忍頂寺車作線
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