万博公園のアリーナ計画で、大阪府が事業者と基本協定書を締結しました。新しいイメージが公開されています


大阪府による万博公園でのアリーナ計画(万博記念公園駅前周辺地区活性化事業)に対して、最優秀提案者に選ばれていた三菱商事都市開発など3社の共同企業体は、去る7月26日に、に大阪府と基本協定書を締結したことを発表しました。

当初とは異なる完成イメージも公開されていますので、ご紹介します。


大阪府と基本協定書を締結したのは、三菱商事都市開発株式会社Anschutz Entertainment Group, Inc.関電不動産開発株式会社 共同企業体です。2019年に公募が発表されて検討が進んでいましたが、2021年に最優秀提案者が本共同企業体に決定していました。

3社の分担が明確に発表されているわけではありませんが、三菱商事都市開発は不動産デベロッパーとして複合施設の開発を事業としており、世界的なスポーツとライブエンターテイメント企業であるAnschutz(アンシュッツ、AEG)は米国など世界各地でスポーツ施設やライブ会場を運営、関電不動産開発はマンションの分譲や賃貸オフィスビルの運営を行っており、得意分野を生かして、分担して事業を行っていくものと思います。

事業者の決定から約2年。今回の協定書では、主に下記のことが取り決められました。

  • 共同企業体が、この事業のための特別目的会社を設立する
  • この事業のための土地に一般定期借地権を設定し、大阪府が共同企業体に貸し付ける。貸付料は年額約3億円
  • 吹田市による許可が得られることを前提に、共同住宅の用地を売却する
  • 共同企業体が、この事業に必要な交通環境の整備を行う
  • 共同企業体は、2025年6月末までに工事に着手し、2029年1月末までにアリーナをはじめとする多くの施設を開業する。2037年3月末までにすべての施設を開業する

要約すると、このアリーナの事業は、大阪府が所有する万博公園の土地の一部を共同企業体に貸し付け、共同企業体が施設を建設し、2029年から2037年にかけて開業・運営します。並行して、建設された共同住宅を分譲・販売するということです。

今回の事業用地となるのは、万博公園中央駐車場、ABCハウジング千里住宅公園跡地、ホテル阪急エキスポパーク跡地などです。

これらを含むエリアは、吹田市の条例により「千里万博公園スポーツ・レクリエーション地区」と定められており、住宅、保育所、老人ホーム、病院、カラオケボックスなどは建設できないことになっています。ただし、吹田市建築審査会の意見を踏まえて市長の許可があれば、これらの禁止された建物も建設できることになっており、今回はその許可を得ることを前提に、共同住宅を建設することとしています。


さて、そんな計画の新しい完成予想図(下記)も発表されました。

以前の完成予想図と比べて、アリーナが四角い屋根から丸い屋根に変わりました。また、もともとは壁面緑化や全面ガラス張りをイメージさせる、新規性ある外観だったホテルやオフィスの建物は、さほど特別感がない建物に変わったようにも見えます。

大阪モノレール万博記念公園駅の改札口とアリーナのエントランスが同じ高さで結ばれる点は当初と同じですが、全体的には、従来よりも起伏に富み、曲線を多用した敷地になっています。

ちなみに、以前も今回も、アリーナには「OSAKA ARENA」(オオサカ アリーナ)と記載がありますが、どうなるでしょうか。

今後、2023年度中により具体的な「実施協定」を締結。2025年5月31日までに共同企業体が「事業計画」を立案して大阪府が承認、以降工事をはじめていくことになります。

最優秀提案者決定の際は、2023年の工事着工、2027年にアリーナが開業予定でした。コロナ下で選定スケジュールが遅れていましたが、選定後も2年ほどの遅れになっています。

まだまだ先が長い計画で、道路渋滞などの混雑悪化が懸念されますが、新しい施設は楽しみです。

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