今回の選挙の争点 操車場跡地と千里ニュータウン40年


4月に行われる統一地方選。今回は、吹田市長選も行われ、今後の吹田市政に大きな影響を与える選挙になりそうだ。現在吹田市は、吹田操車場跡地利用、まち開き40年を迎えた千里ニュータウンの再生などいくつか問題を抱えている。さらには、民間では北摂地域の市町の合併を目指す運動も行われており、これらの問題や運動に対する姿勢が争点になりそうだ。

吹田操車場跡地利用は、1980年代に JR 大阪駅北側の梅田貨物駅を移転し、跡地を有効利用することで国鉄の赤字を補てんすることが言われ始めたことに始まる。梅田貨物駅の移転候補地として JR 京都線吹田駅から岸辺駅間に広がる吹田操車場跡地を利用することがほぼ決定した。しかしこの貨物駅移転計画では、民家のすぐ裏手をトラックが通行することになり、住環境の悪化が懸念され、移転反対運動が行われている。現職の阪口市長は、この計画を容認している一方、市長選への立候補表明した山口克也市議は計画に反対している。

吹田市と豊中市にまたがる千里ニュータウンは、まち開きから40年が経過し、団地建物の老朽化や少子高齢化など、経年によるいくつかの問題を抱えている。団地の老朽化は、まち開き当時の建物で特に深刻で、今後も増加するだろう。いくつかの管理組合では、建物の建て替えについて検討しているが、区分所有者の5分の4以上の賛成が必要であるため、円滑に進んでいるわけではなく、訴訟に発展している例もある。少子高齢化も深刻だ。実際、少子化の影響でこの4月に市立竹見台・南竹見台両小が合併し、千里たけみ小学校が誕生した。今後も、少子高齢化への対策は重要になるだろう。

また、北摂地域の吹田・豊中・茨木各市などの7市と豊能町など3町を合併し、北摂に政令指定都市をつくることを目指す運動も行われている。市町の合併は、操車場跡地利用やニュータウンの再生に比べると、差し迫ったことではないが、吹田市の将来に関わる重要な問題であり、立候補者には合併についての立場を表明するべきだろう。

吹田市は緑の多い住みやすいまちと言われた。しかし近年、さまざまなところで開発が進み、そのようなことが言われることも少なくなった。再び住みやすいまち吹田と言われるように、今回の選挙は慎重に投票したい。

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