吹田は人口が増えています。どの地域が増えているのか調べてみました。


昨年実施された国勢調査の集計結果が発表され始めています。大阪府では「戦後初めて人口減少」というのが大きく報じられていますが、吹田市の人口は、実は増えています。

どれぐらい増えてるの?

最近ニュースで報道されているのは、昨年10月に実施された国勢調査の結果です。大阪府の発表によると「人口が最も増加したのは大阪市の2万6,428人で、次いで吹田市1万8,728人、茨木市5,348 人、豊中市5,154 人となっている」と、大阪市に次ぐ2位で、3位以下を大きく引き離しています。また、「人口増加率をみると、吹田市が5.26%と最も高く、次いで田尻町4.13%、島本町3.63%となっている」と、人口増加率はトップなのです。

実は?人気の吹田!

吹田をはじめ、千里、北摂エリアは住みたい街として関西でも人気のエリアです。その中でも吹田市は、SUUMOのランキングでは関西で6位、大阪で2位サンケイリビング新聞社のアンケートでは関西で1位になるなど、実はトップ級の人気の街なのです。

また、新築マンションの件数も大阪市北区に次ぐ件数が販売中または販売予定としてSUUMOに掲載されています。

SUUMO 大阪府の新築マンション
2016年2月24日現在のSUUMOの検索画面より

吹田のどこに人が増えている?

この5年間で1万9,000人近くも増えている結果に少々びっくりしたので、吹田市の中でも、どこに人が増えているのか調べました。吹田市が定期的に人口の統計を公表しているので、それに基づいて集計しました。

※補足:下記の結果は住民票(住民基本台帳)に基づくものです。国勢調査とは集計時期も集計方法が異なるため、一致しません。

まずは、町・丁目単位での人口増加ランキングです。

町・丁目別 人口増加数ランキング(2010年→2015年)
ランク エリア 増加数 2015年 2010年
1位 千里丘北 +2,350 43 2,393
2位 桃山台1丁目 +1,989 1,560 3,549
3位 佐竹台1丁目 +1,752 1,982 3,734
4位 津雲台3丁目 +1,585 1,000 2,585
5位 藤白台3丁目 +1,346 2,199 3,545
6位 原町4丁目 +1,051 2,616 3,667

4桁増加の地域を挙げてみました。1位の千里丘北は元々毎日放送があったところです。そう、大規模マンションの「ミリカヒルズ」「ミリカテラス」が建った場所です。2位から5位は千里ニュータウンで大規模なマンションが建設されたエリア、原町4丁目もそうです。各エリアで下記のマンションが分譲されています。

ランク エリア 最近の分譲マンション
1位 千里丘北 ミリカヒルズ(633戸/分譲中)
ミリカテラス(651戸/分譲中)
2位 桃山台1丁目 グランファースト千里桃山台(798戸)
3位 佐竹台1丁目 ライオンズ南千里佐竹台グランハート(317戸)
プレミスト千里佐竹台(84戸)
4位 津雲台3丁目 プレミスト南千里津雲台(351戸)
5位 藤白台3丁目 プレミスト北千里クラッシィ(539戸/分譲中、一部は建設中)
プラウド北千里(135戸)
ローレルコート北千里藤白台(128戸)
6位 原町4丁目 ザ・千里ガーデンズ(386戸)

ここまでの結果だと、大規模マンションが建ったところが目立ってしまいますので、人口増加率を見てみます。狭い地域でも何か理由があれば大きく増加します。

町・丁目別 人口増加率ランキング(2010年→2015年)
ランク エリア 増加率 2015年 2010年
1位 千里丘北 +5465% 2,393 43
2位 千里山霧が丘 +549% 370 57
3位 津雲台3丁目 +158% 2,585 1,000
4位 千里山星が丘 +145% 1,353 551
5位 桃山台1丁目 +127% 3,549 1,560

今回は+100%超え、つまり2倍以上に増えているエリアを挙げてみました。こちらも千里丘北がダントツトップ。ミリカおそるべしです。3位の津雲台と5位の桃山台もさきほどのランキングにありました。

新たに出てきたのは千里山の2つのエリア「霧が丘」と「星が丘」です。この2つの街はどちらも阪急千里山駅東側のUR都市機構が千里山団地を再開発した場所です。ちょうど2010年から建物解体、建替、入居という流れをたどったため、千里山霧が丘は57人からの増加、また、千里山星が丘では、URの建て替えと同時進行で新築マンションがいくつも分譲されました。

やはり、何もなかったところや、建て替えで一旦人口が大きく減り、その後増加した場所がランクインしました。

人口が減っている場所はある?

千里ニュータウンをはじめ、再開発された場所や大規模マンションが建設された場所で人口が増えているのがわかりましたが、逆に人口が減っているエリアも調べてみました。

町・丁目別 人口減少数ランキング(2010年→2015年)
ランク エリア 減少数 2015年 2010年
1位 山田西1丁目 -631 8,412 9,043
2位 高野台1丁目 -596 1,050 1,646
3位 津雲台2丁目 -501 2,068 2,569
4位 藤白台1丁目 -401 2,961 3,362
5位 高野台4丁目 -340 1,511 1,851
6位 竹見台2丁目 -339 1,833 2,172
7位 青山台1丁目 -323 2,055 2,378
8位 山田西2丁目 -321 4,191 4,512
9位 古江台4丁目 -251 1,298 1,549
10位 川園町 -247 2,085 2,332

今度は10位まで挙げてみました。ランキング1位は山田西1丁目です。2位以下には、○○台と千里ニュータウンが並んでいますが、8位に山田西が2丁目もランクイン。10位は川園町でした。

千里ニュータウンでランクインしたエリアは、いずれも府営住宅やURが中心に立ち並んでいるエリアです。高野台1丁目や古江台4丁目は建て替え工事中で、そのほかのエリアは建て替えされていないエリア。人口が減っているのも納得できます。

山田西1丁目と2丁目がランクインしたのはいかがでしょうか?予想外という感じもしますが、この地域も千里ニュータウンと同様、団地の多い地域で、老朽化、高齢化が進んでいるます。1位となった山田西1丁目(下記の地図の赤枠)では、日本郵政の宿舎の縮小、旧日本道路公団と協和発酵の社宅が退去、撤退するといったことも要因になっています。逆にいえば、空き地が増えるので今後活用されれば、増加に転じる可能性もあります。

10位の川園町も府営住宅が並ぶエリアのため、高齢化などで世帯人数が減っていっているものと思います。

人口増減を地図上に表してみました

最後に、人口の増減を小学校単位ほどの広さごとに集計して図にしてみました。この図は、各エリアの人口を現在の小学校区ごとに大まかにまとめたものです。オレンジの円が大きいほど、その小学校区で人口が増えており、水色の円が大きいほど人口が減っています。グレーはほとんど変わっていないところです。

大まかな小学校区ごとの人口増減(2010年→2015年)
Google Mapに重ね合わせて作成

※補足:小学校区は、一部で町・丁目よりも細かく設定されており、今回用いた統計データでは実際の小学校区通りの人口は集計できません。また、校区が変わっているエリアもあります。そのため、厳密な計算に意味がないため、500人単位で丸めて円の大きさを決定しています。

気になる個所をいくつか挙げてみます。

まずは増加が目立った地域から・・・千里丘周辺は、ミリカのある千里丘北小学校区だけでなく、駅近くも全般的に増加傾向です。千里ニュータウンは地域によってさまざまで、建て替えタイミングによって、状況が大きく違います。

ランキングで全く出てこなかった地域では、江坂・豊津周辺が全体的に増加傾向です。住みたい街として人気の吹田市の中でも、住みたい駅のランキングだと「江坂」が上位にきます。大規模開発がないものの、100戸に満たないマンションがいくつも建設され、増加しました。梅田、新大阪に近くて便利なこともあり、人気のエリアです。

次に、人口が停滞・減少気味の地域について・・・JR京都線より南側、吹田市が「JR以南地域」と呼ぶエリアが全体的に人口変わっておらず、一部減少傾向です。

また、山田と佐井寺エリアも停滞、減少傾向です。今回減少1位の山田西1丁目が校区の山田第三小学校区、五月が丘を抱える東佐井寺小学校区が減少し、その他のエリアも増加はありませんでした。

※補足:小学校区の人口増減について触れましたが、前述の通り厳密な校区で人口を集計したわけではありません。また、小学生の増減が必ずしも全人口の増減と同等とは言えないので、この結果によって「この小学校は児童数が大きく増える/減る」といった判断ができるかはわかりません。あくまでも、大まかな結果としてご参照ください。

まとめ

人口が増えているところ、減っているところ、皆さんの予想に一致していましたでしょうか?千里、江坂の人気に支えられて人口が増えている一方で、停滞、減少している地域も多くありました。

いま吹田市は、エキスポシティの開業と市立吹田サッカースタジアムの完成で、大いに注目されています。その勢いにのって、今後も人気の街になっていきたい所です。

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