吹田市が待機児童対策で、今後3年間で2千人分の保育所定員を増加させる計画の詳細をお届けします。南千里周辺などの市有地に保育所を誘致します。
吹田市は、今年秋からの入所手続きに230人分を確保する方針です。600人以上が二次選考でも決まっていなかった状況には足りませんが、4月からの定員増加が259人であったことを思うと、緊急対策としてかなりの人数を確保する目標と言えます。
また、3年以内に市役所南千里庁舎(吹田市佐竹台)の敷地や、昨年度をもって閉鎖された南千里市民プール跡地(吹田市高野台)に民間の保育所を作るなどして、合計2,150人分の保育所定員を確保する計画です。
具体的には下記の通りです。
- 公営住宅の空室活用など・・・約635人
- 私立保育園の定員増・・・約360人
- 市有地や公園への保育所の誘致・・・約240人
- 幼稚園の認定こども園への移行・・・約915人
3年間に投じる予算は70億円。1年間にすると23億円で、吹田市の一般会計予算の2%にも満たない額ですが、今年度予算として当初計上されていた保育所運営費等の助成金が3億円ほどだったことや、他市の政策と比べると、思いきった額を投じることが分かります。
大都市の中で保育所対策が進んでいる横浜市は、待機児童対策に毎年150億円ほどの予算を組んでいます。人口は吹田市の10倍なので、吹田市が同程度の対応をしようと思うと、年額で15億円、3年で45億円になりますが、その1.5倍ほどの費用を計画しています。
また、近隣では、待機児童がゼロだった池田市では、2016年度に95人の待機児童が発生し、給与削減で捻出して投じる予算は年額1億円です。市の公園に保育所を設置する計画などを発表し、2018年までに1,400人分の定員増加を計画している豊中市は、今年度8億3千万円を待機児童対策に充てます。
このように、定員2,150人増加、予算70億円投入というのは、かなり大規模な計画です。ただ、今回の計画でも保育士を確保できるかどうかという点は明確ではなく、まだ安心はできません。
追記2016/4/25
吹田市のホームページに、計画の詳細が掲載されました。
待機児童解消アクションプランの策定について
また、本記事の記載を一部改めました。