築50年、千里津雲台A団地の建て替えが始まります。住民で「感謝祭」が開かれました。


千里ニュータウン
マンション老朽化で建て替え 我が家へ惜別の思い 住民ら解体前に感謝祭 /大阪

毎日新聞 2017年10月27日 地方版

住民たちが見守る中、お別れのセレモニーとして行われた「棟下式」=大阪府吹田市で(提供写真)
半世紀を超える歴史を刻んできた千里ニュータウン。老朽化から建て替えが進む。吹田市津雲台3の千里津雲台A分譲住宅マンションも建て替えが決定。12月の解体着手を前に、これまでを振り返る「50年間メモリアル感謝祭」が開かれた。

4階建て5棟、96戸。1966年に入居を開始したが、建物の経年劣化やエレベーターがないなどの不便さも顕著になり、団地再生に舵(かじ)を切ることに。

兵庫県西宮市のコンサルティング会社「ゼンクリエイト」などが住民との話し合いを重ね、東京建物と東急不動産が事業協力者として加わった。西宮市の「あつまり暮らすと」社が事務業務を支援する。202戸の10階建て分譲マンションに生まれ変わり、2022年1月に引き渡す予定。

現居住者のうち、新マンションを取得するのは半数強。愛着はあるが、仮住まいや引っ越しは高齢の身には厳しいとして、建て替えを期に居を移して新生活を始める人もいる。

感謝祭には住民約60人が参加。お別れのセレモニー(棟下式)や記念撮影をした。住民が提供した思い出の写真がスライド上映されると、懐かしさと寂しさが入り交じった様子で涙ぐむ人も。

70代男性は「近所付き合いはどちらかというと希薄だったが、建て替えの話し合いをするうちに顔を合わせる機会が増えた。お別れの会でも大勢が集まり、交流ができてよかった」。新マンションに入居予定の60代女性は「思い出のある土地で新たに暮らせると思うと感慨深い。よそで暮らす決断をした方は、イベントを喜んでくださったのでは」と話した。【相原洋】

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