鉄鋼館


※当ページの情報は2005年頃に作成したものです。

鉄鋼館は、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)で、日本鉄鋼連盟が出展したパビリオンで、万博当時から現存する数少ない建物です。現在は、ホワイエ(ロビー)部分が展示室として利用されていいます。

鉄鋼館は、前川国男氏(1905年~1986年)の設計で、敷地面積3,567平方メートル、鉄骨・鉄筋コンクリート造の建物です。北側が1回分低い斜面に立っています。万博のときは音楽ホールとして利用され、当時の最新鋭の設備が備えられていました。中央の舞台(直径8メートル)を観客席が取り巻く形のホールで、1千個を超えるスピーカーを備え、レーザー光線の演出が可能でした。

北側 東大路から
ホワイエ部分外観、フーコーの振り子

ホワイエ(ロビー)部分は、ホールのある南面以外の3面は全面ガラス張りになっています。中央には、フーコーの振り子がありました。フーコーの振り子は、長い振り子に大きなおもりをつりさげたもので、地球が自転していることを証明するものです。鉄鋼館には直径80センチのステンレス球が、ホワイエ中央部に突き出た「ペンジュラム(振り子)の塔」からつるされていました。

ツタが生える東側
西側 上の広場から

万博のパビリオンは、原則として閉幕後に解体・撤去されることになっていますが、鉄鋼館は解体されずに残されました。多目的ホールのような公共施設として利用されることを前提に設計されていたからです。しかしながら、実際に公共施設として利用されることはなく、ホール部分は閉鎖され、ホワイエ部分が展示室として利用されています。そのため、ホールとホワイエの間に壁が設けられ、フーコーの振り子は撤去されて天井がふさがれています。

追記:鉄鋼館は「EXPO’70パビリオン」として改装、リニューアルされ、内部が公開されています。

鉄鋼館は自然文化園内にあります。建物まで行くためには自然文化園の入園料が必要です。

東側外観