民泊条例が可決しましたが、吹田はどうなるんでしょうか?


最近、「民泊」がニュースになっています。マンションなどの空室を宿泊施設として貸し出せるようにするもので、政府が国家戦略特区を設けて実施の門戸を開き、外国人をはじめ宿泊可能な人数を増やそうというものです。

大阪府では、大阪府の条例と大阪市の条例が、ぞれぞれ可決し、4月から実施できるようになりました。そのような中で、吹田や近隣の北摂エリアではどのようになるのでしょうか。

先に答えを。

先に書きますと、吹田市では今後も「民泊」は許可されません。影響が不透明として実施を見送っています。まずは一安心?というところでしょうか。

そもそも、どういう条例?

今回の民泊条例は「保健所をもっている自治体」が条例を作り、ホテル、旅館の開設に関わる「旅館業法」で規制されている場所や形態でも、宿泊施設を作れるようにするというものです。旅館業法を保健所が管轄しているため、保健所に関係する区分けで各自治体が判断します。

吹田市は保健所を持たないため(吹田保健所は大阪府の施設です)、大阪府の条例に基づきます。一方で、政令指定都市の大阪市や堺市、中核市の高槻市や豊中市などは、大阪府から保健所機能を移管されており、大阪府の条例の対象外。独自の条例を作るかどうかを判断することになります。

また大阪府の条例では、各市町村の判断でどのように実施するか、しないのかを決めるため、吹田をはじめ、独自の保健所を持たない自治体でも大阪府の条例だけで民泊が解禁されるわけではありません。

さらに、誰でも急に部屋を貸せるわけではなく、民泊業者としての申請が必要です。

各自治体の対応は?

北摂エリアを中心に、主な市町村の対応をご紹介します。

市町村 民泊可否 詳細
大阪市 独自条例を可決。地域を限定せずに実施
吹田市 不可 見送り
豊中市 不可 中核市のため、府条例に基づかず、独自条例も作らない
茨木市 一部可 ホテル、旅館が建設可能な地域で実施
摂津市 一部可 ホテル、旅館が建設可能な地域で実施
高槻市 不可 中核市のため、府条例に基づかず、独自条例も作らない
島本町 一部可 ホテル、旅館が建設可能な地域で実施
箕面市 一部可 ホテル、旅館が建設可能な地域で実施
池田市 不可 見送り
豊能町 一部可 ホテル、旅館が建設可能な地域で実施
能勢町 地域を限定せずに実施

北摂エリアでは、多くの市が条件付きながら実施する方針となっています。「ホテル、旅館が建設可能な地域」というのは、一戸建てが並ぶ地域に多い第一種低層住居専用地域や、団地、マンションが並ぶ地域に多い第一種中高層住居専用地域など、都市計画の用途地域の分類で、ホテル、旅館が建設できない地域が省かれます。これらの地域では引き続き禁止されます。

一方、大阪市や能勢町は全面的に実施する方針で、「住居専用地域」でも宿泊施設が営業できることになり、ホテルがない場所にも宿泊施設が誕生する下地ができたことになります。ただし、全面実施でも「市街地域のうち工業専用地域を除く地域」に制限されており、営業できない場所もあります。


いかがでしたでしょうか。どの自治体も比較的無理に緩和しない対応でのスタートとなりました。最近の大阪は、週末を中心にホテルが一切予約できない日が多くあります。北摂エリアは、新大阪に近く、伊丹空港もあったり、京都への中間地点だったりするものの、大阪のベッドタウンというエリアということもあり、大きな変化とはならなさそうです。

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